先々週の山仕事で、山ヒルに食われた場所が膿み。ヒルに吸い付かれたふくらはぎとわき腹と、ダニが食いついついていた脇の下の傷がどうにも良くならないので草津温泉に行ってきました。
以前、隣町の日露カップルと一緒に来て以来で、このときは妊娠8ヶ月の奥さんが「日本人のように肌がきれいになる」とお風呂のはしごをするので心配しました。ご亭主が「あいつら口で言ったって聞く耳持っていないから、やりてぇようにやらしときゃいいんですよ。二人いるからのぼせて倒れるようなこともないでしょうし、基礎体力が我々とは違います。」というのでそのままにしていましたが、子供も無事に生まれ、のぼせることなく厳しくしつけられています。
実は、このとき私が一番草津の湯の影響を受けていることがわかりました。翌日から体中の汗腺に沿って赤い発疹が出て、経絡が丸見えです。体内の毒素が発疹になって出るといわれています。
草津の風呂は硫酸に浸かるようなものです。一皮向けて肌がしっとりしたと言うロシア人とは逆にかさかさになってしまいました。
草津温泉の中心地の湯畑です。草津温泉だけで源泉は100箇所以上あると言われていますが、ここもお湯がわている場所です。

木製の水路をお湯が通り、底には湯の花(硫黄が主成分)がたまります。日にちを決めて、この湯の花を汲み取り、乾燥して売っています。

源泉が沸きだしている場所。ここで湧き出しているお湯は55-6度で、湯の花を採取する時は、木製水路をせき止めて川にお湯を流します。

ここから何件かの旅館にお湯が振り分けられているそうです。旅館によって源泉が異なります。

湯畑の下は滝になっています。草津のお湯は白濁したお湯と言うイメージが強いと思いますが、白濁した源泉は限られていますし、源泉から遠くなるほど色が透明に近くなると言われています。

このお湯の池で入浴できそうな気もしますが、とんでもない!飛び込んだら熱くて大やけどします。ここで温度を下げて旅館に送られています。

湯畑で発見した浴衣を着た変な外国人集団。硫黄の匂いで嗅覚は鈍っていても勘は鈍っていませんでした。白い服の女性はロシア人だ!服装のセンスでわかります。と、いうよりデジカメ持って湯畑を写しながら「クラシ−バ(きれい)!」と言う声が聞こえました。
ロシア語で話しかけると反応しました。やはり白い服の女性はロシア人。しかもウラジオストクから来た女性でした。しかも、ウラジオストクスタッフの住む居住地域の人でした。残りの南アジア系はパキスタン人。と、なると中古車買い付けに来たロシア人と中古車販売のパキスタン人で、お得意様を草津へご招待だそうです。
一緒に来た他のロシア人達は?ときくと、ホテルでビール飲んでる。でも、パキスタン人たちは宗教上アルコールは飲めません。

湯畑かにつながる商店街。スキー複合競技で金メダリストの荻原健司と双子の弟の荻原次晴の実家はこの商店街でホームセンターを営んでいます。

荻原選手もいまや国会議員ですね。草津町は人口7000人程度ですが、社会党の書記長を務めた山口鶴雄や、何かとテレビで騒いでいる山本一太がこの町の出身です。

湯畑の近くにあった奇妙な店。温泉センターかな?と思ったらパチンコ屋さんでした。

レンタルスキーの廃品で作ったベンチ。

湯もみショーをやっています。お湯が熱いので底の冷めたお湯と上の熱いお湯を、木製の板で混ぜて温度を下げてはいるのが草津の正しい入浴方法。
その正しい入浴方法をおばちゃんの指導で入る温泉センターもありますが、とてつもなく熱いお湯に入らされた上、おばちゃんの歌が終わるまでお湯から上げることが許されない灼熱地獄のような目にあいます。

土蔵を改造したイタリア料理店。

草津で最もお湯の量が多いとされているのだが万代鉱。昭和45年に硫黄鉱山発掘中に噴出したお湯です。94.2度のお湯でPH1.54の強酸性。万代鉱に限らず、草津のお湯は飲めません。
肺に入ると死ぬと言われるお湯ですが、18ある無料共同浴場の半数がこのお湯を使っています。
草津町の万代鉱温泉の面白い利用法。降ってに近い熱いお湯を冷ますためにお湯の本管の周りに水の管を通し熱を水に移します。こうしてお湯となった水は各家庭の給湯に使ったり、冬は道路の下にお湯を通して融雪に利用しています。標高1200mの寒冷な土地なのに道路だけは雪が溶けています。
その万代鉱のお湯を使った共同浴場。源泉から一番遠い場所の共同浴場なので、お湯がもまれて柔らかくなり、温度も下がって入りやすいと言われている風呂です。

強酸性なので石鹸なんか泡が立ちません。温泉で石鹸でごしごしと言うのも無粋です。

18ある共同浴場の維持管理はその地区にまかされており、お湯の温度も地域ごとに住民達が調整します。お湯の量を減らせば湯船の温度が下がり、たくさん出せば湯船の温度が上がります。
このお風呂は43度程度で入りやすいお湯の温度でした。が、強い酸性なのでお湯が顔にかかると飛び上がるほど目にしみました。
傷口にしみることしみること。

お湯から上がって持ってきた弁当を食べて一休みしました。
次なるお風呂は地蔵の湯、万代鉱とは違う源泉です。

近くにお地蔵様を祭ってあり、このお地蔵様の近くで沸いているお湯です。

源泉は53.3度でPH1.91.湧き出ているお湯の量が少ないこともありますが、湯船の温度も熱くなく湯当たりも柔らかいので入りやすいお湯です。この共同浴場と2−3件の旅館がこの源泉を使っているそうです。
このお風呂のもう一つのおすすめは水道の水。これでもか!と言うほど冷たい水です。通常は草津の共同浴場に水道がないお風呂が多いのですが、ここは水道の蛇口が一つだけあります。

草津のお湯は皆強い酸性なので金属はすぐに腐食してしまいます。そのため湯船の蓋はゴムのシートです。排水口にゴムシートを乗せておくだけで、お湯の圧力で蓋をしている仕組みです。排水溝も酸に腐食されて口の大きさなどが変わってしまうために、栓をするよりも面でふさぐ手法です。

草津でもっとも強烈なお湯は煮川の湯。地蔵の湯のすぐ下に沸いています。

半地下にお風呂があります。草津の共同浴場では珍しく、脱衣所と風呂が別になっています。

煮川の湯は源泉の温度は52度程度、PHも1.97と草津のお湯の中では酸性度が低いほうで、数字だけ見ると強烈とは思えませんが、この状態で景気良く源泉が湯船に注がれています。

湯船の中の温度が47−8度ととんでもない状態になっています。日ごろ45度前後の湯宿温泉に入りつけている私ですが、入って肩まで浸かるとすぐに飛び出しました。じっとしていれば入れないこともないのですが、湯船に入り込んだお湯の波と、湯船の中で熱いお湯が回ってくる対流で足がしびれていられたものではありません。
2度目は30秒ほどで飛び出しました。3度目は気合を入れて1分我慢しましたが、肩まではいることはできませんでした。
効能が出てきたのか、膿んでいたふくらはぎから膿が噴出し、風呂の隅でふくらはぎとわき腹の膿を搾り出しました。膿を出した患部にお湯をかけると卒倒するような痛さでした。お湯から飛び出すときに「ヒエー」と叫んで出て、患部にお湯をかけては「ヒエー」。
女湯のほうからは水道の蛇口から桶でお湯を湯船に放り込む音が聞こえていましたが、大量に熱いお湯が出ているのに焼け石に水だと思う。
4度目は患部の痛みをこらえながら1分。そんなことをしていると、年配の男性が入ってきました。わき腹から背中にかけてすごい発疹がある人でした。アトピーか何かのアレルギーか時々出るそうで、そのたびの東京からここに来て、煮川の湯専門に入っているそうです。
1日14−5回、3分をめどに浸かると、最後には体の皮がむけてくるそうで、それってただ単にやけどしているだけだと思うのだけど、強力な殺菌効果があるので、きれいに治ってしまうそうです。

草津の風呂の定説は、疲れを取るのではなく、風呂からあがるとどっと疲れが出る。
5度目に1分我慢してお湯から上がり、外に出ると、ドカっと疲れが出てへたり込んでしまいました。
歩いては立ち止まり、深呼吸してまた歩き、酒屋の自動販売機でアクエリアス買って一気飲みしました。
18箇所全部周ってやろうと意気込んでいましたが、3箇所でふらふらです。
湯畑に戻り、ベンチに腰を下ろし30分ほどぐったりしていました。Tシャツは汗でビシャビシャですが、硫黄の匂いがぷんぷんしているのが自分でもわかります。
意を決して湯畑近くの白旗の湯で仕上げることにしました。ここは源泉が異なる二つの湯船があります。

一つは白濁した白いお湯。源泉は54.8度ですがPH1.87と強い酸性です。

もう一つは透明度が高いお湯で、湯船の底から湧き出しているようです。
以前来たときは白濁したお湯のほうが熱かったのですが、今日は透明なお湯のほうが熱く感じました。それでも快適よりやや熱いかな?と言う程度の温度です。

白濁した湯船から透明な湯船を見た写真。

お湯の流れてくる木の水路にたまった湯花。こすって落とすと湯船がさらに白くなりました。
この風呂には水道がありません。本当は上がり湯で体を流してから帰りたかったのですが、温泉エキスをそのまま体につけて帰ることになりました。

これがどういうことかというと、草津を出たとたんすれ違う人がゆで卵のような匂いに気がつくと言うことです。
仕上げに沢渡温泉か川原湯温泉で一風呂浴びていこうかと思いましたが、疲れがドカ!っとでて、途中で自動車を停めて寝ました。
家にたどり着いたのは夜10時。体から硫黄の匂いが漂い、ベタベタするので、11時過ぎに家の近くの共同浴場に行きました。
我が家の近くの共同浴場は、63度のお湯が細々と注ぎ込む風呂で、人が入らない時間になると湯船の上の数センチがとんでもない熱さになっています。でも湯船の上に水道の蛇口があるので、多少埋めてから入ります。

通いなれたる湯宿温泉で草津温泉の疲れを取りましたが、早速肩の周辺に赤い発疹が出始めました。