土曜、日曜は休日で山にキノコ採りに入る人が多いから、その前に山に入って採ってしまおうと、年金生活者がキノコ採りに入るのは木曜か金曜。
行き当たりばったりでこういう算術を考えなかったのがロシア人で、それが魅力でもありましたが、これも時流なんだろうか?

13年前ですが、我が家の近くに別荘を建て、余生を過ごしていた元大学教授の医者がいて、よく顔を出していました。
今頃の時期に顔を出したときにキノコを炒めた、この辺ではキノコよごしと呼ばれる料理をご馳走になりました。
これが大あたり!
まさか医者に毒ギノコ食わされるとは思っていませんでしたから、変な味がするなとは思ったものの、田舎料理に慣れない奥様の料理はこんなもんだろうと食べてしまいました。
向こうも地元の人が食べたのだから大丈夫だろうとお互いが暗黙の信頼で食べた結果が大変な有様でした。
せめて調理する前に見せてもらえばわかったのに、後の祭り。
お祭りが始まったのは家に戻ってきてからで、あげるわくだすわ、汗は吹き出るわ。洋式トイレでよかったなとしみじみ思いました。
件の教授は救急車で運ばれ入院。医者でも救急車で運ばれたり入院するんだと感心したものの、救急車の中ではどうだったか?語らなくても想像出来ます。不幸中の幸いは奥様で、我々がみんな食べてしまったので災難を逃れました。
幸いこちらは若く体力もあったので、翌日の仕事に差し障りなかったものの、当時70歳を過ぎていた教授は1週間入院暮らしをしていました。
ロシアにも食中りを引き起こすキノコはあります。間違えて食べられないキノコを採ってきて食中りを起こす人もそこそこいるようです。

今では舞茸さえも工場生産してしまう世の中になりましたが、昔は大きな舞茸をとってくればちょっとした副収入になりました。
国家公務員で営林署勤務の私の先輩はこの季節は副収入のシーズンでした。仕事で山に行ってキノコを採って、仕事から帰ってきて旅館に売りに行く。
現在、大学に行っている子供が小学校一年生の父兄参観日の時、”お父さんはどんな仕事をしている”と言う質問に颯爽と手を上げて「お父さんは営林署に勤めています。営林署のお仕事は山でキノコを採ってきて旅館に売ることです!」と副業のほうを公表されてしまい、「穴があったら入りたいってのはまさにあのことだぜ!」目の前が真っ白になったそうです。
この先輩、舞茸犬の開発に長年取り組んでいます。保健所でもらってきた犬2匹に舞茸の匂いをおぼえさせて、山の中に生える舞茸を見つけさせようと苦心していますが、全然役に立たないようです。
この季節の山歩きに犬は不可欠。熊よけのためです。洋犬の血が濃ければ熊が近くにいると尻尾を股の間に挟んでおびえるのでわかります。この先輩が飼っているのは柴犬か甲斐犬などの日本犬の血が濃いのか、熊が近くにいれば猛烈な勢いで吠えて追いかけるようです。
犬といえばラブラドール・レトリバーと言う犬を買っている同級生がいます。元々は鳥猟犬だったそうですが、頭の良い種類の犬で警察犬や麻薬犬や盲導犬としても活躍しています。
こう書くとラブラドール・レトリバーが全ての能力を備えているように思えますが、その犬の持つ個性(能力)に合わせて専門の訓練をするそうです。
友人の飼っているラブラドール・レトリバーはとても珍しい馬鹿犬で、芸の一つもできません。
「優秀なラブラドール・レトリバーははいて捨てるほどいるが、馬鹿はめったにいないので、こちらのほうが貴重だ!」と威張っています。
その馬鹿犬はメスなので時期が来ると発情します。血統書つきの犬なので、同じいとやんごとなきお家柄のオス犬に何万円と言う大金支払ってやってもらいます。
「純血種」と言うのは出産も人間に手伝ってもらうことを前提に品種改良されたようなものだから、出産のときそばについていないと子供の羊膜さえ破れなくて窒息死させてしまうこともあるそうです。
普通は出産後母親が子犬の羊膜を舐め取って食べてしまいますが、そういった野性的な本能が薄れているんですね。
雑種などいつの間にか妊娠していつの間にか子供を生んでいるものですが、そのためか母性本能が異常に強く感じます。
ロシアの家庭では大方の家でネコか犬を飼っていて、犬は大型犬が多いのが特徴です。純血種もいれば雑種もいますが、雑種だからと言って決して頭が悪い犬ということもなく、その後のしつけや教育なんでしょう。フィジカル的に圧倒的に強いのは雑種で病気になることも少ないのは他の動物も同じ。
ペットの歴史が長い国ですから、むやみやたらに吠える犬は淘汰されてきましたし、人をかんだら即死刑です。そのため、屋内でも飼える温厚な犬が生き残ってきました。
ロシアには世界でも珍しいククラチョフのネコのサーカスがありますが、その団員(ネコ)のほとんどは捨てられていたネコだそうです。そのネコが持つ個性に合わせて人間側が芸を導いているそうです。
見るからに雑種です。

オオカミと犬は遺伝子が同じなので、犬とオオカミの間に子供は作れます。
日ソ共作の映画「
オーロラの下で」はオオカミの父親と犬の母親を持つブランの物語です。
ウラジオストクでオオカミをペットに飼っている人を何人も見かけました。小さいことから犬と同様に育てられているのでおとなしいものですが、さすがに近寄りがたい威圧感を感じます。
我が家の近所でシべりアン・ハスキーを飼っていますが、大柄なシベリアンハスキーもオオカミと見比べるとスレンダーに見えます。
大きさと言えば犬より骨太で頭が大きいと言う印象が強いです。あのあごで噛みつかれたらひとたまりもなかろうと思うほど、がっしりしています。
犬との見分け方のもう一つの特徴は尻尾で、犬は尻尾を立てて歩きますがオオカミはだらりと下げたまま歩いています。